田村はまだか
田村はまだかを読んだ。
- 作者: 朝倉かすみ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/02/21
- メディア: ハードカバー
- 購入: 2人 クリック: 142回
- この商品を含むブログ (102件) を見る
田村がなかなかこない。
その田村でひっぱり続ける内容から、自分で勝手にこの物語は、ミステリーみたいに最後は意外な、はっとさせられるようなオチがくると思いこんで読んでいた。
が、そうでもなかった。。。
しかし、それまでの話はおもしろかった。
各登場人物の回想がテーマとして話が区切られている。
登場人物池内の話は個人的に好き。隠居している先輩社員が、なぜか急に怒り出す、その精神状態がなんとなくわかるような、わからないような、なんとなく、読んでいていいなと思った。
個人的にこの感覚は伊坂幸太郎の小説を読んでいる時に感じたものとよく似ている。
あと、これも個人的な感想だが、
登場人物を物の名前で代用する手法はよくわからないし、読みにくい。
例えば、エビスビールを飲んでいる女性をエビスと書くようなことだ。
きちんと登場人物には名前があるのに、わざわざエビスと書く。
これはキャラを立たせるために必要な手法なのだろうか。
人物の名前で書かず、わざわざエビスとすることで、一体なんのキャラが立つというのだろう。
この書き方はあまり好きではない。なんだか読みにくいのだ。
これは石田衣良氏もよく使っている手法だ。
石田衣良氏の作品はIWGPシリーズが好きだけど、この手法はよく見る。
そのたびに、なんだかなあ、この書き方はなんの意味があるんだろうと思ってしまう。
特にそうする意味、効果を見出せない。
とまあ、話はそれたが、最後のオチが微妙だったが、面白かったと思う。
田村は実はいなくてうんたらかんたらみたいなオチを期待していたけど、そういうオチならそういうオチでなんとなくありきたりかなと思ったり。
以上、自分勝手な感想文でした。