日記ときどき読書感想文

プラス/マイナス思ったことをつらつらと。そのほとんどは思いつきです。

死神

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

伊坂幸太郎著の↑を読んだ。
著者の小説はまだ2冊しか読んでいないが、非常に読みやすいと感じる。

ストーリーもおもしろい。
僕の好きな、ちょっと変わったやつが登場する物語だった。
といっても人間ではなく、死神なのだが。

構成は主人公は同じで毎回話が違う、短編集的なものだが、どこかでところどころ他の物語とリンクしているところがあって、読み進めているとはっとさせられる。
最後に収録されている死神対老女の話の終わりのもっていきかたには感動した。


死神はいつもその対象者の死を見届けることをもって仕事は完結するという設定だが、すべての短編にて対象者が死ぬまで書かれているわけではない。その後どうなるんだろうと思わされるような場面で話は終わる。
収録されている短編の中で、ひとつ、この後、この人はどうなるのだろう、どう感じるのだろうと強く気になる物語があった。
それが、最後につながった。

なんだか老女の切なさと哀しさに一人で勝手に感情移入してしまい、涙が出てきた。
それくらい名作だった。

久しぶりに涙を流した。